去年の6月のことでした
仕事を終えて、家に帰ろうと車に乗り込もうとした私にパパさんから1本の電話。
「今、○○(長男)が医大に緊急入院した。」
朝、家を出るときには元気に 自転車で大学に向かった長男の 最悪な状況がいくつもいくつも頭をよぎります
そんなときの人間の脳みそは働いているようで、うまく働かず、今後どのような処置を行い、いつまで入院かというパパさんの言葉も、私の耳からは零れ落ちていきました。

とりあえず、入院の用意をして病院に向かいます。
我が家は誰も入院したことがなかったので、祖父の介護をしていた母に入院に必要な物を聞いて一緒に病院に向かいました。
息子の部屋にあった大きなカバンに下着やスリッパなどを詰め込みます。
下を向くと涙がこぼれそうになるので、上を向いて運転しました。

緊急外来に着いて医師から受けた長男の病名は「肺気胸」
肺に穴があく病気です。
おそらく数日前から肺に穴が開いており、高い山に登っているような息苦しさがあったはずだと医師は言いました。
実は彼は入院の前日に 生まれて初めてのアルバイトがあったため、苦しいのを必死にこらえていたらしいのです。
数週間前からアレルギーでずっと咳をしていた長男。
それが原因の一つかもしれないけれど、断定はできないと言われました。
我慢しすぎた彼の右肺はぺったんこになっており、左の肺だったら命にかかわっていたかもしれないと聞いた時には腰が砕けそうになりました。
肺にチューブをぶら下げて車いすに乗せられた長男の顔を見て、ようやく私も肺に空気が入ってきた…そんな感じを受けました。

入院のベットは救急の患者ばかりが入院しているフロア。
誰かの心拍音が規則的に聞こえます。
私は家から持ってきた大きなカバンを開けて、持ってきた荷物を出しました。
「スリッパでしょ?洗面器、ほら、替えの下着だよ」声を潜めながら持ってきた最後の荷物を出した途端、この病室には似つかわしくないほどの笑い声。
私がカバンから最後に取り出したものはゴミ箱(持ってくるの大変だった)
ゴミ箱を見て、先生も長男も、パパさんも、そして必要だよって教えてくれた母さえも笑っています(なんでや~)
ゴミ箱は病室にありますから大丈夫ですと説明を受けながら、私も一緒に笑いました。
こうして ただ笑うという 今までは当たり前だった日常は、けっして当たり前ではなかったことがとても胸に沁みました。

翌日から一般病棟に移り、治療を続けた結果、ぺったんこにつぶれた長男の右肺は1週間ほどで膨らみを取り戻し、無事退院となりました。
入院中、同室だった他の患者さんとたくさん話をしたようで、長男にとっても色々考えさせられた1週間だったようです。
ご飯を食べること、学校に行くこと、テレビを見ること、笑うこと、泣くこと、そして何より生きているということは
当たり前のことではなく、大切な大切な奇跡の連続の上に成り立っていることに、私たち家族が気づくことのできた出来事でした。
なぜ、私が去年の話を今頃しているかというと、実は今日は長男の20歳の誕生日。
当たり前のことなど何一つなく、奇跡の連続に成り立っている私たちの生活。
そして、存在してくれているという奇跡に心から感謝しています。
私たちの周りにいてくれるすべてのみなさんにも感謝です。
20歳おめでとう。
これからもたくさんの幸せがあなたに訪れますように。
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「今、○○(長男)が医大に緊急入院した。」
朝、家を出るときには元気に 自転車で大学に向かった長男の 最悪な状況がいくつもいくつも頭をよぎります

そんなときの人間の脳みそは働いているようで、うまく働かず、今後どのような処置を行い、いつまで入院かというパパさんの言葉も、私の耳からは零れ落ちていきました。

とりあえず、入院の用意をして病院に向かいます。
我が家は誰も入院したことがなかったので、祖父の介護をしていた母に入院に必要な物を聞いて一緒に病院に向かいました。
息子の部屋にあった大きなカバンに下着やスリッパなどを詰め込みます。
下を向くと涙がこぼれそうになるので、上を向いて運転しました。

緊急外来に着いて医師から受けた長男の病名は「肺気胸」
肺に穴があく病気です。
おそらく数日前から肺に穴が開いており、高い山に登っているような息苦しさがあったはずだと医師は言いました。
実は彼は入院の前日に 生まれて初めてのアルバイトがあったため、苦しいのを必死にこらえていたらしいのです。
数週間前からアレルギーでずっと咳をしていた長男。
それが原因の一つかもしれないけれど、断定はできないと言われました。
我慢しすぎた彼の右肺はぺったんこになっており、左の肺だったら命にかかわっていたかもしれないと聞いた時には腰が砕けそうになりました。
肺にチューブをぶら下げて車いすに乗せられた長男の顔を見て、ようやく私も肺に空気が入ってきた…そんな感じを受けました。

入院のベットは救急の患者ばかりが入院しているフロア。
誰かの心拍音が規則的に聞こえます。
私は家から持ってきた大きなカバンを開けて、持ってきた荷物を出しました。
「スリッパでしょ?洗面器、ほら、替えの下着だよ」声を潜めながら持ってきた最後の荷物を出した途端、この病室には似つかわしくないほどの笑い声。
私がカバンから最後に取り出したものはゴミ箱(持ってくるの大変だった)
ゴミ箱を見て、先生も長男も、パパさんも、そして必要だよって教えてくれた母さえも笑っています(なんでや~)
ゴミ箱は病室にありますから大丈夫ですと説明を受けながら、私も一緒に笑いました。
こうして ただ笑うという 今までは当たり前だった日常は、けっして当たり前ではなかったことがとても胸に沁みました。

翌日から一般病棟に移り、治療を続けた結果、ぺったんこにつぶれた長男の右肺は1週間ほどで膨らみを取り戻し、無事退院となりました。
入院中、同室だった他の患者さんとたくさん話をしたようで、長男にとっても色々考えさせられた1週間だったようです。
ご飯を食べること、学校に行くこと、テレビを見ること、笑うこと、泣くこと、そして何より生きているということは
当たり前のことではなく、大切な大切な奇跡の連続の上に成り立っていることに、私たち家族が気づくことのできた出来事でした。
なぜ、私が去年の話を今頃しているかというと、実は今日は長男の20歳の誕生日。
当たり前のことなど何一つなく、奇跡の連続に成り立っている私たちの生活。
そして、存在してくれているという奇跡に心から感謝しています。
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